訪問看護の営業はどうやる?利用者・依頼を増やす方法|開業後の集客を経営支援の専門家が解説

**【結論】訪問看護の営業は「売り込み」ではなく「信頼できる連携先だと知ってもらう活動」です。**成果を分けるのは、①誰に(ケアマネジャー・病院・診療所)、②何を持って(対応できる範囲を具体的に)、③どう続けるか(一度きりでなく関係を保つ)の3点です。開業直後は利用者ゼロからのスタートですが、依頼は「営業トークの上手さ」ではなく「安心して任せられる情報を、必要な人に、繰り返し届けられたか」で増えていきます。本記事では、直営とフランチャイズを合わせて全国15拠点・月間約7,000件(2026年7月時点)の訪問を運営してきた私たちフッテージが、実際に依頼を増やしてきた営業の考え方と手順をお伝えします。

この記事でわかること

  • 訪問看護の「営業」が病院や物販の営業と違う理由
  • 営業先の優先順位(ケアマネジャー・病院・診療所の使い分け)
  • 開業直後にやるべき営業の順番
  • 営業が苦手な看護師でも依頼が増える仕組みの作り方
  • ケアマネジャーが「また頼みたい」と思うステーションの共通点

Q: 訪問看護の営業は、一般的な営業と何が違うのか?

「契約を取る活動」ではなく「困ったときに思い出してもらう活動」である点が最大の違いです。

訪問看護の依頼は、利用者本人が直接申し込むのではなく、ケアマネジャーや病院の退院支援担当者が「この人に合うステーションはどこか」を考えて紹介する構造になっています。つまり営業の相手は利用者ではなく「紹介してくれる専門職」です。彼らが求めているのは値引きや強い売り込みではなく、「この症状・この地域で、確実に対応してくれるか」という安心材料です。

だからこそ、成果を分けるのは話術ではありません。「何ができて・何は難しいか」を正直に、分かりやすく伝えられるかどうかです。できないことを「できます」と言って一度でも迷惑をかければ、次の紹介は止まります。逆に、対応範囲を正直に伝え、断るときも代替案を添えるステーションは、紹介者から「安心して回せる先」として選ばれ続けます。

Q: 営業先はどこを優先すべきか?

**開業初期は「居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)」を最優先にします。**紹介の入り口として最も件数が多く、関係が続きやすいためです。次に病院の退院支援部門、その後に診療所という順番が基本です。

営業先特徴関わり方
居宅介護支援事業所(ケアマネ)依頼件数が最多。継続的な関係になりやすい対応できる疾患・エリア・空き状況を定期的に共有
病院(退院支援・地域連携室)退院時の医療ニーズが高い利用者を紹介。単発でも件数が大きい退院カンファレンスに確実に対応。医療的な対応力を示す
診療所・クリニック在宅医療に力を入れる医師との連携。指示書の窓口主治医との報告・連絡の丁寧さで信頼を積む

大切なのは、手当たり次第に回らないことです。自分のステーションが強い領域(精神科・小児・ターミナル・医療依存度の高い在宅など)と相性の良い紹介元に絞るほうが、限られた時間で信頼が深まります。

Q: 開業直後は、何から始めればよいか?

**利用者ゼロの時期は「知ってもらう」より前に「準備を整える」ことが先です。**順番を間違えると、せっかくの初回訪問(挨拶)が空振りになります。開業前の準備全体は訪問看護ステーション立ち上げ完全ガイドにまとめていますが、ここでは開業後の営業に絞って順番を示します。

  1. 自ステーションの「対応できることリスト」を1枚にまとめる — 対応可能な疾患・医療処置、対応エリア、営業時間、緊急時対応(24時間対応の有無)、スタッフ体制を、紹介者が一目で分かる形にします。抽象的な理念より、この具体情報が紹介の判断材料になります。
  2. 近隣の居宅介護支援事業所・病院をリスト化し、優先順位をつける — エリア内の連携先を洗い出し、上の相性で順位づけします。
  3. 挨拶に伺う。ただし「お願い」ではなく「情報提供」として — 「利用者をください」ではなく「こういう対応ができるステーションが近くにできました」と伝えます。相手が忙しい前提で、要点を短く。
  4. 一度会った相手に、継続的に近況を届ける — 空き状況の変化、対応できるようになった処置など、相手の役に立つ情報を無理のない頻度で共有し続けます。

私たちの経験でも、立ち上げ期に効いたのは一度の強い売り込みではなく、**「正直な情報を、必要な人に、続けて届けたこと」**でした。

Q: 営業が苦手な看護師でも、依頼を増やせるのか?

増やせます。訪問看護の依頼は「営業力」より「仕組み」で増えるからです。

多くの訪問看護師は営業の経験がなく、「売り込みが苦手」だと感じています。しかし前述のとおり、この仕事の営業は売り込みではなく情報共有です。個人のトーク力に頼るのをやめ、次のような仕組みに置き換えると、誰がやっても一定の成果が出ます。

  • 伝える内容を標準化する — 対応範囲リストや報告フォーマットを整え、「何を伝えるか」を個人任せにしない。
  • 報告・連絡の質を上げる — 依頼を受けた後の報告書やケアマネへの経過連絡が丁寧で早いことが、次の紹介につながる最大の「営業」です。訪問後のひと手間が、実は最も効く。
  • 断り方を設計する — 対応できない依頼を断るとき、理由と代替案を添える型を決めておく。丁寧な「お断り」が、かえって信頼を生みます。

フッテージには全国で多くの看護師が在籍していますが(直近1年間で約40名が入職・2026年7月時点)、営業を専門にするスタッフがいなくても紹介が続くのは、この「仕組みで信頼を積む」設計を大切にしているからです。

Q: ケアマネジャーが「また頼みたい」と思うステーションの共通点は?

「連絡が早く、報告が具体的で、無理なときは正直に言う」——この3つに尽きます。

ケアマネジャーは複数のステーションを比較しています。彼らが継続的に紹介する先には、共通した特徴があります。

  • レスポンスが早い — 依頼や問い合わせへの返事が速い。「すぐ動いてくれる」という信頼が紹介を呼びます。
  • 報告が具体的 — 「変わりありません」ではなく、利用者の状態変化や気づきを具体的に伝える。ケアマネが次の判断に使える情報を返すステーションは重宝されます。
  • できないことを正直に言う — キャパシティを超える依頼を無理に受けて品質を落とすより、正直に断って代替案を示すほうが、長期の信頼につながります。

私たちが多職種連携で心がけてきたのも、派手な営業ではなく「顔が見える関係を、丁寧なやり取りの積み重ねで作ること」でした。月間約7,000件の訪問を支えているのは、営業テクニックではなく、この地道な信頼の設計です。

よくあるご質問(FAQ)

Q: 営業に回る時間がありません。訪問で手一杯です。

まずは「訪問後の報告・連絡の質を上げる」ことから始めてください。これは新たに時間を作る営業ではなく、既にやっている業務の質を上げるだけで、最も効果の高い「営業」になります。新規の挨拶回りは、その後で優先度の高い連携先に絞って行えば十分です。

Q: チラシやホームページは営業に必要ですか?

紹介者(ケアマネ・病院)向けには、立派なチラシより「対応できることが一目で分かる1枚の資料」が有効です。ホームページは、紹介を受けた利用者・家族が後から確認する場面で信頼確認の役割を果たすため、対応内容や体制が正確に載っていることが大切です。

Q: 開業後、どのくらいで依頼が安定しますか?

エリアや連携先との関係構築の状況によりますが、一般に立ち上げ期は数か月かかります。「1拠点目は数か月で軌道に乗ったから次も同じ」と見積もると、立ち上げ期間の違いを見落とします。焦って対応範囲を広げすぎず、確実に対応できる依頼で信頼を積むほうが、結果的に安定が早まります。

Q: 営業代行サービスを使うべきですか?

入り口の接点づくりには有効な場合もありますが、継続的な紹介は「日々の報告・連絡の質」で決まります。外部に任せられるのは接点づくりまでで、信頼の維持は自ステーションの仕事だと考えておくと、費用対効果を見誤りません。

Q: 病院とクリニック、どちらを優先すべきですか?

医療依存度の高い利用者を受けられる体制があるなら病院の退院支援部門が有力です。まだ体制が整っていない段階では、まず居宅介護支援事業所との関係づくりを優先し、対応力が広がってから病院・診療所へ広げる順番が無理がありません。

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まとめ|訪問看護の営業は「信頼の設計」

訪問看護の営業は、話術で契約を取る活動ではなく、「安心して任せられる情報を、必要な専門職に、繰り返し届ける」信頼の設計です。

  • 営業の相手は利用者ではなく、紹介してくれる専門職(ケアマネ・病院・診療所)
  • 開業初期はケアマネジャーを最優先。自ステーションの強みと相性の良い連携先に絞る
  • 依頼は「営業力」でなく「報告・連絡の質」という仕組みで増える
  • ケアマネが選び続けるのは「早い・具体的・正直」なステーション

私たちフッテージは、直営とフランチャイズ合わせて全国15拠点・月間約7,000件の訪問(2026年7月時点)を運営するなかで積み上げてきた連携・集客の実践知を、開業支援・経営支援のかたちで提供しています。開業後の利用者獲得や連携先づくりにお悩みの方は、現状の整理からでもお気軽にご相談ください。

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