訪問看護の費用と利用方法|医療保険・介護保険の自己負担額をわかりやすく解説

訪問看護は介護保険と医療保険のいずれかで利用でき、1回あたりの自己負担額は介護保険1割負担(名古屋市・2024年6月施行)で約347〜1,247円、医療保険3割負担で約1,665〜1,965円(訪問看護基本療養費I、看護師)が目安です。さらに高額療養費制度・高額介護サービス費制度により月額の自己負担には上限が設定されており、経済的な不安を軽減する仕組みが整っています。

私たちFootageの訪問看護では、初回相談の段階で利用可能な保険制度と費用の見通しを丁寧にご説明し、安心して利用を開始できるようサポートしています。

この記事でわかること
– 訪問看護で使える2つの保険制度(介護保険・医療保険)の違い
– 1回あたりの訪問看護費用の具体例(2024年報酬改定反映)
– 加算の仕組みと費用への影響
– 自己負担を軽減する制度(高額療養費・高額介護サービス費・自立支援医療・指定難病・医療費控除 等)
– 訪問看護の利用開始から初回訪問までの流れ

本記事の単位数・点数は、2024年度(令和6年度)介護報酬改定および診療報酬改定後の数値です。介護報酬のうち訪問看護費の施行日は2024年6月1日(その他介護サービスは2024年4月1日、医科診療報酬は2024年6月1日)。次回改定は2027年度(令和9年度)予定。最新情報は必ず厚生労働省の告示および自治体の案内をご確認ください。


Q: 訪問看護は介護保険と医療保険のどちらを使うのか?

訪問看護は、利用者の状態と年齢により適用される保険が異なります。基本的な振り分けは以下の通りです。

保険の適用ルール

条件 適用保険
65歳以上で要介護認定あり(通常) 介護保険(原則)
要介護認定者でも、厚労省告示「特掲診療料の施設基準等」別表第7の疾病に該当 医療保険(介護保険より優先)
要介護認定者でも、特別訪問看護指示書が交付されている期間 医療保険(原則14日間)
40〜64歳で介護保険第2号被保険者かつ特定疾病による要介護認定あり 介護保険
40歳未満、または40歳以上で介護認定なし 医療保険
精神科訪問看護(精神科医の訪問看護指示書) 医療保険(精神科訪問看護療養費)

介護保険と医療保険それぞれの対象者・費用・訪問回数の違いは、介護保険と医療保険の訪問看護の違いで詳しく比較しています。

別表第7(厚労省告示)の疾病

厚生労働大臣が定める疾病等(特掲診療料の施設基準等 別表第7)に該当する方は、要介護認定の有無にかかわらず医療保険の訪問看護が適用され、週4日以上の訪問・1日複数回の訪問・複数ステーションの利用が可能になります。全20疾病が指定されており、代表例は以下のとおりです。

  • 末期の悪性腫瘍

  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

  • 多発性硬化症

  • 重症筋無力症

  • パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病はヤール3以上かつ生活機能障害度II・III度)

  • 脊髄小脳変性症

  • 多系統萎縮症

  • 脊髄性筋萎縮症

  • 頸髄損傷

  • 人工呼吸器を使用している状態 など(全20疾病)

出典: 特掲診療料の施設基準等(平成20年3月5日厚生労働省告示第63号)


Q: 訪問看護の1回あたりの費用はどのくらいか?

介護保険の場合(訪問看護費 I2、2024年6月1日施行)

訪問看護ステーションからの訪問看護費の基本単位数は以下の通りです。

訪問時間 基本単位数 1割負担(名古屋市) 2割負担(名古屋市)
20分未満 314単位 約347円 約694円
30分未満 471単位 約521円 約1,041円
30分〜1時間未満 823単位 約910円 約1,819円
1時間〜1時間半未満 1,128単位 約1,247円 約2,493円

※1単位あたりの円単価は、地域区分とサービス種別(人件費割合)により異なります。名古屋市は3級地で、訪問看護(人件費割合70%)の場合は1単位=11.05円で換算しています。他の地域や通所介護(人件費45%)などでは単価が異なるため、居住地の自治体またはケアマネジャーにご確認ください。

出典: 令和6年度介護報酬改定について(厚生労働省) / 地域区分について(令和6年度〜8年度、厚生労働省)

医療保険の場合(令和6年度診療報酬改定、2024年6月1日施行)

項目 金額 3割負担の場合
訪問看護基本療養費I(看護師、週3日まで) 5,550円/日 1,665円
訪問看護基本療養費I(看護師、週4日以降) 6,550円/日 1,965円
訪問看護基本療養費I(PT・OT・ST) 5,550円/日 1,665円
訪問看護管理療養費1(月の初日) 7,670円/月 2,301円
訪問看護管理療養費1(月2日目以降) 3,000円/日 900円
24時間対応体制加算(業務負担軽減取り組みあり) 6,800円/月 2,040円

※機能強化型訪問看護ステーション(I・II・III)では管理療養費の金額が異なります。

出典: 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(厚生労働省告示)

月額費用のシミュレーション(名古屋市・1単位11.05円換算)

例1:介護保険・週2回(30分〜1時間)訪問の場合(1割負担)

  • 基本料金:823単位 × 8回 = 6,584単位

  • 緊急時訪問看護加算II:574単位

  • 月額合計:7,158単位 × 11.05円 ≒ 79,096円

  • 1割負担:約7,910円/月

例2:医療保険・週3回訪問の場合(3割負担)

  • 基本療養費:5,550円 × 12回 = 66,600円

  • 管理療養費1:7,670円(月初日)+ 3,000円 × 11回 = 40,670円

  • 月額合計:107,270円

  • 3割負担:約32,181円/月(ただし高額療養費制度により月額上限あり)


Q: 訪問看護の加算とは何か?費用にどう影響するのか?

訪問看護には、提供するサービスの内容や体制に応じた「加算」が設定されています。加算は利用者にとって「追加費用」となりますが、それに見合う手厚いケアが受けられます。

介護保険の主な加算(2024年6月改定後)

加算名 単位数 内容 1割負担(名古屋市)
緊急時訪問看護加算(I) 600単位/月 24時間対応体制+業務負担軽減の取り組み 約663円/月
緊急時訪問看護加算(II) 574単位/月 24時間対応体制 約634円/月
特別管理加算(I) 500単位/月 気管切開、在宅酸素、在宅中心静脈栄養等 約553円/月
特別管理加算(II) 250単位/月 真皮を越える褥瘡、点滴管理等 約276円/月
ターミナルケア加算 2,500単位/死亡月 看取り期のケア 約2,763円
退院時共同指導加算 600単位/回 退院前カンファレンス参加 約663円/回
看護体制強化加算(I/II) 550/200単位/月 重度対応・特別管理利用者割合等の基準 約608/221円/月
サービス提供体制強化加算(I/II) +6/+3単位/回 勤続年数の長い看護師の配置 約66/33円/回

Footageでは、緊急時訪問看護加算(24時間対応体制)を活用し、夜間・休日の緊急相談・緊急訪問が可能な体制を整えています。


Q: 自己負担を軽減する制度にはどのようなものがあるか?

介護保険:高額介護サービス費制度

月額の自己負担が一定額を超えた場合、超過分が払い戻されます(原則世帯単位)。

所得区分 月額上限
現役並み所得(年収約1,160万円以上) 140,100円(世帯)
現役並み所得(年収約770〜1,160万円) 93,000円(世帯)
現役並み所得(年収約383〜770万円)/一般(課税世帯) 44,400円(世帯)
住民税非課税世帯 24,600円(世帯)
住民税非課税・年金収入80万円以下 等 24,600円(世帯)/15,000円(個人)
生活保護受給者 等 15,000円(個人)

出典: 高額介護サービス費の負担限度額が見直されます(厚生労働省、令和3年8月改定)

医療保険:高額療養費制度(70歳以上、月額)

所得区分 外来(個人) 外来+入院(世帯)
現役並み所得III(課税所得690万円以上) — 252,600円+(総医療費−842,000円)×1%
現役並み所得II(課税所得380万円以上) — 167,400円+(総医療費−558,000円)×1%
現役並み所得I(課税所得145万円以上) — 80,100円+(総医療費−267,000円)×1%
一般 18,000円(年間上限144,000円) 57,600円
住民税非課税世帯(低所得II) 8,000円 24,600円
住民税非課税・年金80万円以下 等(低所得I) 8,000円 15,000円

出典: 高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚生労働省)

高額医療・高額介護合算療養費制度(年額)

医療保険と介護保険の自己負担を年間(8月1日〜翌7月31日)で合算し、上限を超えた分が払い戻される制度です。70歳以上・一般区分の年間上限は56万円です。

出典: 高額介護合算療養費制度(健康長寿ネット/厚生労働省資料準拠)

その他の軽減制度

  • 自立支援医療(精神通院医療):精神疾患での通院・精神科訪問看護の自己負担を原則1割に軽減。所得区分と「重度かつ継続」該当有無により月額上限2,500〜20,000円。出典: 自立支援医療(精神通院医療)について(厚生労働省)

  • 特定医療費(指定難病):指定難病の方は自己負担が原則2割に軽減。所得区分により月額上限2,500〜30,000円。人工呼吸器等装着者は一律1,000円/月。出典: 難病情報センター

  • 身体障害者・重度心身障害者医療費助成:自治体により内容が異なります。お住まいの市区町村の福祉窓口にお問い合わせください。

  • 医療費控除:訪問看護・訪問リハビリ・通所リハビリ等の医療系サービスにかかる自己負担額は、医療費控除の対象。訪問介護・通所介護などの福祉系サービスも、ケアプランに医療系サービスが位置付けられている場合は対象。出典: No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価(国税庁)


訪問看護の利用開始までの流れ

ステップ1:相談(費用0円)

ケアマネジャー、かかりつけ医、地域包括支援センター、または訪問看護ステーションに直接ご相談ください。Footageでは電話・メールでの初回相談を無料で承っています。

ステップ2:主治医の訪問看護指示書

訪問看護の利用には主治医からの「訪問看護指示書」が必要です。ステーション側で主治医へ連絡することも可能です。

ステップ3:契約・初回訪問

訪問看護計画書に基づき、費用の見積もりをご説明した上で契約します。初回訪問では、体調の確認、ケアの方針説明、ご自宅の環境確認を行います。


よくある質問(FAQ)

Q1. 訪問看護を利用するのに費用の事前見積もりはもらえますか?

はい、契約前に月額費用の概算をお伝えします。 訪問回数、時間、加算の有無により費用が変動するため、ケアプランに基づいた見積もりを作成します。Footageでは初回相談時に、適用される保険制度と費用の目安をわかりやすくご説明しています。

Q2. 交通費はかかりますか?

Footageでは訪問看護の交通費は一切いただいておりません。 ステーションにより交通費の扱いは異なるため、事前に確認することを推奨します。

Q3. 訪問看護の費用は確定申告で医療費控除の対象になりますか?

はい、訪問看護にかかる自己負担額は医療費控除の対象です。 国税庁の分類で訪問看護は「医療系サービス」に区分され、介護保険の訪問看護であっても自己負担全額が医療費控除の対象です。年間の医療費合計が10万円(または所得の5%)を超えた分が控除対象となります。領収書は保管しておいてください。

Q4. 生活保護を受給していても訪問看護は利用できますか?

はい、生活保護受給者は自己負担なし(0円)で訪問看護を利用できます。 医療扶助(医療保険)または介護扶助(介護保険)が適用されます。福祉事務所のケースワーカーに訪問看護の利用希望を伝えてください。

Q5. 訪問看護の回数は自分で自由に決められますか?

介護保険の場合はケアプランの範囲内、医療保険の場合は原則週3回までです。 ただし、厚労省告示「特掲診療料の施設基準等」別表第7に該当する疾病、または特別訪問看護指示書が交付されている期間(原則月1回・14日以内、ただし真皮を越える褥瘡または気管カニューレ使用中は月2回交付可)は、週4日以上の訪問・1日複数回の訪問・複数ステーションの利用が認められます。回数の調整はケアマネジャー・主治医と相談して決定します。

訪問看護のご利用を考えている方へ

Footage訪問看護ステーションでは、ご本人やご家族からの訪問看護のご相談を受け付けています。利用できるかどうか分からない段階でも、お問い合わせください。

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まとめ

訪問看護の費用は保険制度と各種軽減制度により、想像以上に手頃に利用できます。

  • 介護保険(1割負担・名古屋市):1回約347〜1,247円、月額7,000〜15,000円程度(週2回+加算・目安)

  • 医療保険(3割負担)でも高額療養費制度で月額上限あり(70歳以上・一般 外来+入院世帯 57,600円)

  • 高額介護サービス費により、住民税非課税世帯は月額24,600円、現役並み未満の一般区分は44,400円が上限

  • 別表第7の疾病や特別訪問看護指示書該当期間は、医療保険で手厚い訪問が可能

  • 自立支援医療・特定医療費(指定難病)・医療費控除など、追加の負担軽減策あり

  • 生活保護受給者は自己負担0円で利用可能

費用面での不安を解消し、あなたやご家族に必要なケアを適切に受けていただきたい。私たちFootageの訪問看護では、初回相談で費用の見通しを丁寧にご説明します。

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