変形性股関節症では、運動療法が保存療法(手術以外の治療)の柱として推奨されています(変形性股関節症診療ガイドライン2024・日本整形外科学会)。痛いからと股関節を動かさずにいると、周囲の筋力が落ち、かえって痛みや歩きにくさが進むことがあります。だからこそ、専門職の見守りのもとで「痛みと上手に付き合いながら」運動を続けることが、歩く力を保つ鍵になります。
この記事では、変形性股関節症と向き合うご本人・ご家族に向けて、なぜ運動が大切なのか、どんな運動が向いているのか、そしてデイサービスをどう活用できるのかを、ガイドラインの考え方をふまえて解説します。
この記事でわかること
・変形性股関節症で運動が大切な理由
・痛みを悪化させずに続けられる運動の考え方
・専門職と運動するメリット
・フィットネススタジオ Re-move での進め方
Q: 変形性股関節症はどんな病気なのか?
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、骨の変形や痛みが生じる病気です。日本では、生まれつき股関節の受け皿が浅い「発育性股関節形成不全」などを背景に進む二次性のものが多いとされ、女性に多い傾向があります。
進行すると、歩き始めや立ち上がりのときの痛み、長く歩いた後の痛み、可動域の制限(足を開きにくい・靴下が履きにくい)などが現れます。痛みをかばって動かさなくなると、股関節を支える筋肉が衰え、関節への負担がさらに増えるという悪循環に陥りがちです。
治療は、痛みの程度や進行度に応じて保存療法と手術療法に分かれます。保存療法の中心が、運動療法・減量・生活動作の工夫です。手術が必要な段階でも、術前・術後のリハビリは回復を支える大切な要素になります。
Q: なぜ運動が大切なのか?動かさないほうが安全ではないのか?
「痛いなら安静に」と考えがちですが、変形性股関節症では適切な運動を続けることが推奨されています。変形性股関節症診療ガイドライン2024(日本整形外科学会)でも、運動療法は保存療法の柱として位置づけられています。
理由は、股関節を支える筋肉(おしりや太ももの筋肉)を保つことで、関節にかかる負担を分散し、痛みや機能低下の進行をゆるやかにできるからです。動かさずにいると筋力が落ち、関節が不安定になり、結果として痛みが強まることがあります。安静は一時的な痛みの軽減にはなっても、長い目で見ると歩く力を奪いかねません。
ただし、痛みを我慢して負荷の強い運動をするのは逆効果です。大切なのは「関節に過度な負担をかけずに、必要な筋力と動きを保つ」というバランスです。このさじ加減こそ、専門職の見守りが活きる部分です。
Q: どんな運動が変形性股関節症に向いているのか?
向いているのは、関節への衝撃が少なく、筋力と柔軟性を保てる運動です。
具体的には、おしりや太ももの筋力を高める運動、股関節の動く範囲を保つストレッチ、そして体重を関節にかけすぎない有酸素運動(水中歩行や自転車こぎなど)が代表的です。体重が増えると股関節への負担が大きくなるため、減量につながる運動も有効とされています。
避けたいのは、ジャンプや急な方向転換、長時間の階段昇降など、関節に強い衝撃や負担がかかる動きです。同じ「運動」でも、種類と強度を誤ると痛みを悪化させます。その日の痛みや腫れの程度に合わせて運動量を調整することが欠かせません。
自己流で行うと、つい痛みを我慢して負荷をかけすぎたり、逆に怖くて動かなさすぎたりと、適切な範囲を外しやすいのが難しいところです。
Q: 専門職と運動するとどんなメリットがあるのか?
最大のメリットは、その日の状態に合わせて運動の種類と強度を調整してもらえることです。
理学療法士・作業療法士は、股関節の動く範囲や筋力、歩き方を評価し、関節に負担をかけすぎない範囲で必要な運動を組み立てます。痛みが強い日は無理をせず、調子のよい日は少し負荷を上げる——この調整を専門職がそばで行うことで、「痛みを悪化させずに、歩く力を保つ」という難しいバランスを取りやすくなります。
また、立ち上がり方・歩き方・階段の使い方といった日常動作の工夫も指導できます。同じ動作でも、股関節への負担を減らすコツを身につければ、痛みと付き合いながら生活の質を保てます。一人で続けるより、見守りのある場のほうが安全で、続けやすいのです。
Q: デイサービスはどう活用できるのか?
運動特化型のデイサービスは、専門職の見守りのもとで継続的に運動できる場として活用できます。痛みのある股関節に向き合いながら、定期的に通って運動を積み重ねられることが、自宅での自己流より続けやすく安全です。
私たちフィットネススタジオ Re-move(リムーブ)は、運動障害に特化した運動特化型のデイサービスで、理学療法士・作業療法士が常駐しています。ご本人の股関節の状態やその日の痛みに合わせて、筋力・柔軟性・歩行を保つ運動を個別に調整します。手術を控えている方の術前の体力づくりや、術後に歩く力を取り戻す段階の方にも、状態に応じた運動を提供しています。
見学・体験利用で実際のプログラムに参加してから、利用を検討いただけます。「自分のペースで、痛みと相談しながら動ける」と感じていただけることが、続けられる理由だと考えています。歩く力は、使い続けることでこそ保たれます。
Q: 自宅でできる運動と生活の工夫は?
デイサービスで専門職と行う運動に加えて、自宅でも無理のない範囲でできるセルフケアがあります。代表的なのは、横向きに寝て上の脚をゆっくり持ち上げる「おしりの筋肉の運動」、いすに座って片膝を伸ばして数秒キープする「太ももの運動」、そして痛みの出ない範囲での平地ウォーキングや水中歩行です。いずれも反動をつけず、痛みが強くなる手前で止めるのが原則です。回数を競うより、痛みと相談しながら毎日少しずつ続けることが効果につながります。
生活動作の工夫も、股関節への負担を減らすうえで大切です。立ち上がるときは手すりや机に手をついて体重を分散する、靴下や爪切りは前かがみで無理をせず補助具を使う、階段は手すりを使って一段ずつ昇る、といった工夫で日々の負担が変わります。重い荷物を片手で持つと股関節に偏った負担がかかるため、左右に分けたりリュックを使ったりするのも有効です。体重が増えると関節への負担が増すため、関節に衝撃の少ない運動で体重を保つことも意識したい点です。
ただし、自宅での運動は「やりすぎ」と「怖くてやらなさすぎ」のどちらにも傾きやすいのが難しいところです。安静時や夜間にも強い痛みがある、急に歩けなくなった、足に力が入りにくいといった変化があるときは、自己判断で運動を続けず主治医に相談してください。自宅でのセルフケアと、専門職の見守りのある運動を組み合わせることで、安全に歩く力を保ちやすくなります。
よくあるご質問(FAQ)
Q: 変形性股関節症でも運動していいのですか?
はい。変形性股関節症診療ガイドライン2024(日本整形外科学会)でも、運動療法は保存療法の柱として推奨されています。ただし関節に強い衝撃のかかる運動は避け、種類と強度を調整することが大切です。
Q: 痛いときは運動を休んだほうがいいですか?
強い痛みや腫れがあるときは無理をせず、運動量を調整します。完全に動かさないより、その日の状態に合わせて続けることが望まれます。専門職に相談しながら調整すると安心です。
Q: どんな運動を避けるべきですか?
ジャンプ・急な方向転換・長時間の階段昇降など、股関節に強い衝撃や負担がかかる動きは避けたほうがよいとされています。
Q: 手術を予定していてもデイサービスは使えますか?
使えます。術前の体力づくりや、術後に歩く力を取り戻す段階のリハビリとして、状態に応じた運動を行えます。主治医の指示をふまえてご相談ください。
Q: 体重は股関節に関係しますか?
関係します。体重が増えると股関節への負担が大きくなるため、減量につながる運動も有効とされています。関節に衝撃の少ない運動を選ぶことが大切です。
まとめ
変形性股関節症では、痛いからと動かさずにいると筋力が落ち、かえって痛みや歩きにくさが進むことがあります。運動療法は保存療法の柱として推奨されており(変形性股関節症診療ガイドライン2024・日本整形外科学会)、関節に負担をかけすぎない範囲で筋力と動きを保つことが、歩く力を守る鍵になります。
難しいのは「痛みを悪化させずに続ける」というバランスです。専門職の見守りがあれば、その日の状態に合わせて運動を調整でき、安全に続けられます。一人で抱え込まず、見守りのある場を活用してください。
フィットネススタジオ Re-move では、理学療法士・作業療法士が常駐し、股関節の状態に合わせた運動を個別に提供しています。見学・体験はいつでも受け付けています。
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