「営業」という言葉を聞くと、どのようなイメージを抱きますか?
特に医療職の方にとっては、「営業活動」と聞くだけで身構えてしまうかもしれません。
Footage訪問看護ステーション覚王山のスタッフに、営業活動を始める前の印象を聞いてみると、こんな不安や心配の声が上がりました。
- 押しが強い営業スタイルを求められるのではないかと不安。
- 初めて会う人にどんな反応をされるかが心配。
- ノルマのプレッシャーを感じるのではないか。
- どんな内容を伝えれば良いのかわからない。
- 自分の話を相手がしっかり聞いてくれるだろうか?
- コミュニケーションスキルが必要だから自分には向いていないのでは?
このように、多くの人が営業に対してマイナスなイメージを抱いています。
実際、訪問看護師やセラピストの多くは、病院勤務の経験が中心で、営業活動はまったくの未知の世界。
「自分のやりたいことではない」「自分には向いていない」と感じる方も少なくありません。
訪問看護における営業活動とは?
訪問看護における営業活動とは?
訪問看護において提供する「商品」は、私たち医療者が提供する看護ケアやリハビリテーション技術です。
どんなに素晴らしいケアを行っていても、それを知ってもらわなければ新規依頼にはつながりません。
口コミやリピーターを増やすことも大切ですが、私たちが目指す訪問看護ステーションの成長には、それだけでは十分とは言えないのです。
また、私たちが「商品」として提供するのは技術や知識だけではなく、医療職者としての人間性や人柄も含まれます。
医療の現場では信頼関係が非常に重要です。そのため、訪問看護師やセラピストが実際に医療機関や居宅支援事業所に足を運び、自分たちがどのような人間でどのようなケアを提供できるのかを直接伝えることが大切です。
まずは「知ってもらう」「顔を覚えてもらう」ことで信頼を構築し、新規利用者の獲得につなげます。
営業の基本:訪問看護に活かす一般的なコツ
営業は誰でも簡単にできるものではありませんが、基本を押さえて会話の引き出しを増やせば、徐々にハードルが下がります。ここでは、訪問看護に役立つ営業のコツをご紹介します。
1. 信頼の構築が最優先
営業の基本は「信頼の獲得」です。訪問看護でも同様に、初対面での丁寧な自己紹介や誠実な態度が大切です。約束を守り、曖昧な返答は避けるようにしましょう。一度会っただけでは信頼は築けませんので、最初は新規依頼を獲得することを目標にするのではなく、「顔と名前を覚えてもらう」「明るく丁寧な印象を与える」ことを目指しましょう。
2. 傾聴のスキル
相手のニーズを理解するためには、相手の話をしっかりと聞くことが重要です。緊張すると自分の話ばかりしてしまうことがありますが、相手が話しやすい話題を選び、「3分以上話を聞く」など具体的な目標を立てると良いでしょう。
訪問看護ならではのアプローチ方法
1.医療知識の活用
医療の知識を活かして、訪問先で付加価値を提供します。例えば、病院の医療ソーシャルワーカーや退院調整の看護師さんには、自身の訪問看護ステーションの強みや医療機器管理の具体例を伝えます。ケアマネージャーさんには、医療アドバイスや提案、勉強会の企画を行い、「頼りになるステーション」として印象づけます。
2.連携力の向上を目指す
在宅医療では連携力が試されます。現状に満足することなく、スムーズで質の高い医療を提供するために、柔軟な対応を心がけます。具体的な連携事例を伝えることで、訪問先に安心感を与えることも大切です。
営業活動で培われたコミュニケーション力がケアに活かされる
営業活動で身につくコミュニケーション能力は、利用者へのケアにも大きく貢献します。傾聴力やアピール力は、利用者のニーズを的確に理解し、質の高いケアを提供するために欠かせません。また、自分の考えをうまく伝えることで、利用者やその家族との信頼関係を築くことができ、看護師としてのやりがいを感じられる瞬間が増えます。このように営業活動は、新規獲得だけでなく、自分自身の成長やスキルアップにもつながります。
FOOTAGEの取り組み:営業とは地域連携活動である
FOOTAGEでは、営業活動を「地域連携活動」と呼びます。この活動を円滑にするため、さまざまな工夫を行っています。
1.地域連携活動の考え方を共有
FOOTAGEでは、Notionというツールを使って地域連携活動の重要性や考え方をスタッフ全員に共有しています。活動の目的や優先順位を明記し、効率的な連携を目指しています。
2.地域連携活動のリスト作成
各店舗で訪問先のリストを作成し、効率よく地域連携活動を進められるように管理しています。訪問先の選定や訪問計画を共有することで、活動の質を高めています。
3.ネタ帳の活用
Notion内には「ネタ帳」と呼ばれる会話例や質問例がまとめられており、スタッフはこれを活用して地域連携活動に臨んでいます。初めて訪問する際もスムーズに会話を進められるよう準備しています。
4.自作のチラシを持参
自作のチラシを作成し、訪問時に持参することで話題を作りやすくしています。これにより、訪問看護ステーションの特徴やサービス内容を相手に印象づけ、記憶に残るよう工夫しています。
5.事前シミュレーションと同行トレーニング
新人スタッフはまず事業所内でシミュレーションを行い、その後、先輩スタッフに同行して地域連携活動のトレーニングを受けます。これにより、自信を持って活動できるようにしています。
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6.より質の高い情報を提供できるようになるための意識づけと環境調整
定期的にカンファレンスを開催し、利用者様に関する課題をチームで共有・解決しています。その情報を関係機関に報告・連絡・相談することで、質の高いサービスを提供しています。単なる営業の訪問だけが地域連携活動ではありません。日々の利用者様との関わりやケアがいちばんの地域連携活動です。利用者様への丁寧なケアが評価され、自然と関係機関との信頼構築にもつながっていくことを常に意識して業務にあたっています。
まとめ
- 医療職者が営業を行うことには心理的ハードルがある。
- 訪問看護ステーションでは地域との連携を強化するための営業活動が重要。
- 営業活動で得られるスキルは、利用者ケアの質向上や自身の成長につながる。
- 営業活動は「新規獲得」が目的ではなく、「信頼関係の構築」がゴールである。
- FOOTAGEは一人一人が地域連携活動を自律的に行える環境づくりに力を入れている。
やらされる営業活動には意味がありません。
FOOTAGEでは、意識づけや環境調整、そして充実した研修システムを活用し、地域連携活動をより楽しく、やりがいのあるものにする工夫をしています。
地域とつながりを築きながら自分自身も成長できるこの活動、一緒にチャレンジしてみませんか?✨
今日からあなたも、地域連携活動のマスターを目指しましょう!🌟新たな自分を発見できること間違いありません!☺️
Footage訪問看護ステーション 覚王山
看護師 山下 千明