1.はじめに

前回までのコラムでは、訪問看護事業所における業務効率化について2本のコラムを掲載してきました。

1本目のコラムでは、訪問看護アクションプラン2025の4つの主要項目(訪問看護の量的拡大、機能拡大、質の向上、地域包括ケアへの対応)に関連する、業務効率化の影響について詳しく説明しました。業務効率化を進めることは、訪問看護事業所に多くの利益をもたらします。
ぜひ、以下のリンクから記事をご確認ください。
訪問看護事業所における業務効率化の重要性について

2本目のコラムでは、訪問看護事業所でのBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)の実施が、利用者のサービス向上と組織全体の効率化にどのように寄与するのか、そしてBPRを進める際のポイントについて解説しました。
ただむやみに進めるのではなく、業務改善とBPRの違いをしっかりと理解し、それぞれの事業所の実情に応じた適切な選択をする必要があります。
業務改革(BPR)-訪問看護事業所での進め方について

現在、訪問看護事業所は多様なニーズに対応するための高品質なサービスと優れた管理能力が求められています。
特に、業界が急速に変化し拡大している中、事業所の円滑な運営がより一層求められています。
このような状況下で、ICTツールの活用は不可欠な課題となっています。
そこで、今回は「Footage訪問看護ステーション」での業務効率化ツールの実際の使用例を紹介いたします。
これから訪問看護ステーションを開設する予定の方や、日々の業務に追われる事業所の経営者や管理者の皆さんへの参考となれば幸いです。

2.訪問看護事業所で実際に活用しているツール

▪️訪問看護のための、情報ポータルサイト Notion

Notionは「仕事の質とスピードを向上させるコネクテッドワークスペースです。」と紹介されているウェブアプリです。
Notion Labs Incが開発元であり、多くの有名企業でも活用されています。
<参考URL> Notion

FootageにおけるNotionの活用

Footage訪問看護ステーションは、直営店からフランチャイズ店、協力店に至るまで、Notionを「訪問看護のための、情報ポータルサイト」として活用しています。
これはFOOTAGEグループ内で共同利用可能な資源として位置づけられていて、全メンバーはスマートフォンを通じていつでもアクセス可能で、業務のスキマ時間にマニュアルを確認したり、動画学習コンテンツを用いた学習が可能です。

また、Footageの教育ラダーやキャリアパスとも連携しており、メンバーは段階的に情報収集や学びを深められます。
実際の業務で困った際も「Notionをチェックする」という習慣が身に付いています。

Notionの活用が決定してから運用を開始するまで、コンテンツを整備する為に約3ヶ月の期間を要しましたが、その成果として非常に価値のあるリソースが完成したと自負しています。
今後もマニュアルや学習コンテンツを継続的にアップデートし、より現場職員の支援が可能となるよう努めることで、新卒者でも訪問看護師として自信を持って働ける環境を構築していきたいです。

Notionに掲載している内容

Notionには訪問看護事業所を運営していくために大切な情報を掲載しています。
掲載内容について一部抜粋して、下記にまとめました。

  • 訪問看護事業所の運営ガイドライン
  • 訪問看護師としての役割や基礎知識について
  • 各専門領域(看護技術、精神、小児など)に応じた学習コンテンツ
  • 訪問看護のお役立ちツールや利用者提供用の情報(患者パンフレット等)
  • 訪問看護業務や事業所運営のための業務マニュアル
  • グループ内機能別チーム(共育、広報、環境、マネジメントなど)の活動報告

体系的な情報整理により、情報共有の効率化や教育の品質向上が期待されます。
特に、現場での経験が難しい事例についても、動画学習を通じて習得できるのは大きな利点と言えます。

  • 掲載内容の詳細を知りたい
  • 実際に活用しているイメージを知りたい

など興味を持たれた方は、下記リンクより経営支援事業部までお気軽にお問い合わせください。
「経営支援事業部へのお問い合わせ」

▪️グループ内コミュニケーションツール Slack

Slackは、「人々をそれぞれが必要とする情報につなげる、ビジネス用のメッセージングアプリです。」と紹介されている、メッセージアプリです。
Slack Technologiesが開発元であり、多くの有名企業でも活用されています。
<参考URL>Slack

FootageでのSlackの活用方法

Footage訪問看護ステーションでは、直営店、フランチャイズ店、協力店を問わず、「グループ内コミュニケーションツール」としてSlackを導入し、FOOTAGEグループ内でのコミュニケーションに活用しています。
スマートフォンからのアクセスが可能であるため、所属するメンバー全員がコミュニケーションコストを大きく削減できます。
機能や役割ごとにスペースを分けているため、情報アクセスが容易で、通知のON/OFF切り替えも簡単に行えます。
わからないことがある場合、Slack内で迅速に質問や対話が可能なので、スピーディな意思決定をサポートしています。
また、コミュニケーションのレイヤーを以下の3つに分類して活用しています。

  1. グループ全体でのコミュニケーション
  2. 事業所毎のコミュニケーション
  3. 個人間でのコミュニケーション

1.グループ全体でのコミュニケーション

グループ本部からのお知らせ、各機能別チームへの検討依頼(業務改善依頼など)、専門家チーム(緩和・小児・精神など)への相談、研修や勉強会の告知など、すべてをSlackで共有しています。情報の格差がないように、このツールを利用して一貫して全員に情報を提供しています。

2.事業所毎のコミュニケーション

事業所の運営に必要なタスク管理、利用者の情報共有(電子カルテの補完)、毎日のスケジュール管理、そして事業所内の出来事などの共有を通じてコミュニケーションを深めています。
スマートフォンでいつでもアクセス可能なため、事業所にいなくても訪問の間隙に情報のチェックや共有、さらにはタスクの更新ができます。
チャンネル機能により、話題を適切にカテゴライズできるため、効率的なコミュニケーションが可能です。

3.個人間でのコミュニケーション

Slackに参加しているメンバー間では、メッセージや通話機能でのコミュニケーションが取りやすいです。
先に触れたNotionには、各メンバーの得意分野が記載されているため、「〇〇店の〇〇さんに心不全のアドバイスを求めよう」「同期の1年目の〇〇店のスタッフと情報を共有しよう」「〇〇の専門看護師に資格取得のヒントを聞こう」といった形で、気軽に意見交換や相談が行えます。

  • 掲載情報の詳細を知りたい
  • 実際に活用しているイメージを知りたい

など興味を持たれた方は、下記リンクより経営支援事業部までお気軽にお問い合わせください。
「経営支援事業部へのお問い合わせ」

3.まとめ

今回、Footage訪問看護ステーションの運営に不可欠な2つのツールを紹介しました。
これらのツールは、単なる業務効率化を超えて、事業所運営に多岐にわたる効果をもたらしています。
今回取り上げたツールのほかにも、Footageでは電子カルテ、勤怠管理ツール、経費管理ツールといったさまざまなICTツールを活用して運営を行っています。
また、次の機会にご紹介させていただきます。