はじめに

経営支援事業部では、訪問看護の開業、経営、人材育成、採用に関するコラム記事を掲載しています。
今回からしばらくの間、シリーズ連載【大解剖】訪問看護ステーション立ち上げシリーズとして、より具体的な立ち上げ準備について解説していきます。

経営支援事業部で訪問看護ステーションの立ち上げを支援する際、通常は9ヶ月前から準備を始めることが多いです。
今回のコラムでは、その9ヶ月前よりさらに前に行う事前準備について解説していきます。

なお、必ずしもコラムで掲載している方法を全て行う必要はありませんが、目安として参考にしていただければ幸いです。
このコラムを読んで「興味が湧いた!」「もっと詳しく知りたい!」と感じられた方は、下記の経営支援サイトからお気軽にお問い合わせください。
無料相談や説明会も開催しています。

Footage訪問看護ステーション 経営支援サイト

訪問看護ステーション立ち上げ 事前準備

訪問看護ステーションの立ち上げを検討する際、「何から始めればいいのだろう?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
答えとしては、どの事業を立ち上げる場合でも共通していますが、まずは情報収集から始める必要があります。
この重要な情報収集ですが、どのように進めればよいのでしょうか。
意外と知られていない方法もありますので、今回のコラムでは、オススメの情報収集方法についてご紹介します。

▪️公的機関や団体のWebサイトや資料を活用する

厚生労働省

厚生労働省では、訪問看護に関する概要をまとめた資料が作成されています。
この資料には、訪問看護の基準や報酬、最新の制度情報、訪問看護ステーションや対象者、サービス内容の推移に関する統計データ等が含まれています。
ただし、全てを網羅しているわけではなく、重要な情報や注目のトピックをピックアップした内容になっています。
そのため、訪問看護事業についてある程度の理解を深めた上で、詳細や最新動向を知るための補助的な情報として活用するのをオススメします。
特に開設後に発生する報酬改定などの情報は、主に厚生労働省の発表を参考にしています。

日本訪問看護財団や全国訪問看護事業協会などの専門団体

これらの専門団体では、訪問看護に関する業界動向や最新情報の発信、関連研修の開催が行われています。
また、ガイドラインやパンフレットなどの資料も提供されています。
訪問看護の加算算定に必要な研修や、訪問看護の基礎、管理者研修など、スタッフ向けの研修も多数開催されています。
立ち上げに直接関わる研修は少ないかもしれませんが、オープニングスタッフのスキル向上につながる研修が多いため、積極的に参加することをオススメします。

▪️出版物を読む

訪問看護に関する書籍や専門雑誌から立ち上げに関する情報を得ることは非常に重要です。
訪問看護業界の概要が整理されていたり、開設に向けた情報が網羅的にまとめられているため、業界の全体像や立ち上げの流れを把握するのに役立ちます。
さまざまな情報収集手段がありますが、全体像を把握するために、業界の概要や立ち上げに関する書籍を一冊ずつ確認することをオススメします。
出版物によっては、網羅的な情報が含まれているものの、詳細に関しては掲載されていない場合があります。
必要に応じて追加で調査する必要もありますが、出版物は最も基本的で信頼性の高い情報収集手段の一つです。

▪️オンライン講座やセミナーに参加する

訪問看護の運営や経営に関するオンライン講座やセミナーに参加することで、最新の知識やノウハウを習得できます。
特に、訪問看護事業の立ち上げに特化したコースや、法令に詳しい専門家によるセミナーは立ち上げ時にはオススメです。
訪問看護の立ち上げの際にひっかかりやすいポイントなどを詳しく学ぶことができます。
ただし、講座やセミナーによって学べる内容や費用等も様々であり、満足した結果が得られない可能性もあります。
書籍などで全体観を把握した上で、講座やセミナーで学べる内容を把握してから受講をすることをオススメします。

▪️SNSやオンラインコミュニティを活用する

各種SNS(Facebook、X、Instagram等)では、訪問看護の業界動向が頻繁に発信されています。
特にXでは、訪問看護の開設を経験している経営者も多く、立ち上げや運営の実態をリアルに知ることができます。
経験に基づいた実用的な情報が多く飛び交い、非常に役立つ情報源となっています。
SNS上でのコミュニケーションを通じて、同じ業界の仲間を作ることができ、訪問看護ステーションの開設後もそのつながりを活かすことができます。
また、訪問看護や在宅医療に関連するオンラインコミュニティでは、最新のニュースやノウハウを学ぶことが可能です。
コミュニティ内で情報共有や意見交換ができるため、困ったことをリアルタイムで相談できるという点も大きなメリットです。

▪️訪問看護ステーションへの視察やインターンシップ

実際に運営している訪問看護ステーションを視察したり、短期間のインターンシップに参加したりすることで、現場のリアルな運営状況を学ぶことができます。
訪問看護ステーションごとに方針やオペレーションが異なるため、できる限り多くの事業所を視察することをオススメします。
特に、訪問サービスの提供現場を直接視察することは非常に重要です。
「看護師やセラピストでなければ現場の視察は不要では?」と思われる方もいるかもしれませんが、現場を知ることは運営に大きな影響を与えます。現場のスタッフの苦労や、利用者の生活状況や環境の実態を理解することで、より適切な運営が可能になります。
「実践に勝るものはない」と言われる通り、現場での体験が最も学びにつながるでしょう。
ただし、訪問看護の概要を把握していないまま視察をしても十分な学びを得られないことがあります。
そのため、あらかじめ学習して、確認すべきポイントを明確にしてから視察することをオススメします。

▪️コンサルタントや専門家、フランチャイズのサポートを受ける

訪問看護に詳しいコンサルタントや専門家、フランチャイザーからアドバイスを受けることは、非常に効果的です。
プランの内容にもよりますが、立ち上げから運営後まで継続的にサポートを受けられる場合もあり、進捗状況を細かく確認しながら、疑問に答えてもらうことができるため、安心して開設を進めることができます。
訪問看護事業は開設よりも運営を継続していく方が難易度が高いとされており、開設後もサポートを受けながら運営できることは非常に大きなメリットです。経営ノウハウを持ったサポーターからの支援を受けることで、個人で進めるよりも早期に経営を軌道に乗せ、利益を上げることが期待できます。ただし、こうした支援を受けるには費用が掛かることや、コンサルタントやフランチャイズによって提供しているサービス内容に偏りがあるため、注意が必要です。
利益化のスピードを事業計画で見積もりながら、サポートを受けるかどうかを慎重に判断する必要があります。

まとめ

訪問看護ステーションを立ち上げるためには、事前の情報収集が成功の鍵を握っています。本コラムで紹介したように、情報収集の手段は多岐にわたり、各手段の特徴や効果を理解しながら活用することが重要です。公的機関や専門団体の資料を補助的に活用するのはもちろん、出版物で業界の全体像を把握し、オンライン講座やSNSを通じて最新の知識を得ることができます。また実際の訪問看護ステーションの視察やインターンシップは、現場のリアルな状況を学ぶ貴重な機会です。情報を集めるだけでなく、得た知識を実践に活かして実際に行動することが、訪問看護ステーションの成功に繋がります。

弊社でも無料相談会や説明会を開催していますので、訪問看護の立ち上げに興味を持たれた方はご参加ください。

次回のコラムからは、さらに具体的な準備について詳しく解説していきます。
Footage訪問看護ステーション経営支援サイトにて、皆様のお問い合わせをお待ちしています。