訪問看護の魅力
こんにちは。
「Footage訪問看護ステーション 瑞穂店」の仙田です。
私は総合病院の入院病棟やクリニックなどで働き、現在看護師8年目です。
半年前にFootageに入職し、訪問看護師になりました。
今回のコラムでは、実際に働いて感じた ”訪問看護の魅力” についてお伝えしていきたいと思います。
訪問看護のイメージは?
訪問看護の世界に飛び込むまでの、訪問看護のイメージは…
- 知識がないとできない
- 経験を積まないとできない仕事
- 一人での訪問は不安
当コラムを読んでくださっている方の中にも
”在宅医療に興味があるけど自信がない” ”訪問看護をやってみたいけど、敷居が高い”
と思っている方がいるのではないでしょうか。
ただ実際は全く違い、訪問看護には自分のペースで成長する事が出来る環境があります。
今回のコラムで少しでも訪問看護に興味を持っていただけると幸いです!
訪問看護師と病院看護師の違いとは?
訪問看護の役割は
”赤ちゃんからご高齢の方まで全ての年代の方を対象とし、住み慣れた自宅で生活を続けていけるように支援すること”です。
病院と比較した訪問看護の特徴
は、主に3つあります。
- 全ての科の利用者様をみること
科ごとに分かれている病院やクリニックとは違い、訪問看護を利用している利用者様の疾患は様々です。 - 生活環境が多様であること
自宅の環境・生活リズム・家族構成・家族からの支援の有無・人生の背景など、全てが多様です。
自宅で過ごす為にどういった情報が必要か考え、環境を整えたり家族に支援をお願いします。
訪問看護師は利用者様の生活にお邪魔するので、訪問時間や処置内容も利用者様に合うよう可能な限り調整します。 - 1人で訪問する場面が多いこと
病院であればすぐ看護師同士で相談したり先生を呼ぶこともできますが、基本的に看護師1人で訪問します。
自己による判断が難しい・悩んだ際は、他のスタッフに電話やチャット、ビデオ通話で相談することが可能です。
ここまで読まれた方の中には
訪問看護は ”やっぱり大変そう” や ”責任が重い” と感じる方もいるかもしれません。
しかし訪問看護にはマイナスイメージを上回る ”やりがい” があります。
訪問看護のやりがいを説明させていただく前に
”私がなぜ訪問看護師になったのか”ということについて、少しお話させていただきます。
なぜ訪問看護を選んだか
私は病院に勤務している時に、自分が提供している看護に違和感を感じていました。
病院は生活の場では無く治療の場であるため当たり前ですが、点滴・食事・消灯など全ての時間が決まっており、患者様が病院に合わせて入院生活を送ります。
私は患者様の個別性に合わせた看護を提供したいと考えていたため、画一的なサービスを提供することにジレンマを感じてしまうことが多々ありました。
訪問看護は利用者様の生活をサポートする仕事である為、利用者様の生活に合わせた看護を提供する事が出来ます。
私にとって、利用者様が主役になれる訪問看護はとても魅力的でした。
これが、私が訪問看護師になろうと思った理由です。
訪問看護の魅力がもっと伝わる、事例紹介
ここからは訪問看護の魅力をもっと感じていただくために、Aさんの事例についてご紹介していきますね!
Aさんは70代男性で、奥様と息子様の3人で暮らしています。
病院に受診した際には、すでにステージⅣの末期癌で医師には余命3ヶ月を宣告されました。
Aさんはすぐに入院となります。
呼吸を助けるための酸素投与が始まりまり、ご飯も食べられないので高カロリーの点滴が開始となりました。
動くことも食事も取れなくなってしまったAさんでしたが
本人の強い希望で「残りの3ヶ月の人生は病院ではなく、自宅で過ごしたい」と申し出がありました。
そこで自宅退院となり、私たち訪問看護師が介入することになったのです。
Aさんが自宅で叶えたかった願いとは
Aさんが自宅で叶えたかった願い。
それは「庭に咲いている朝顔が観たい」というものでした。
Aさんは入院するまで自宅の庭で朝顔を毎年育てており、今年もそれを楽しみにしていました。
「なんだ、そんな簡単なことか。」と思われるかもしれませんが
Aさんが朝顔を庭先に見に行くには難しい課題がありました。
Aさんの願いを叶えるための課題
- 課題1「車椅子で移動する必要があること」
自室から庭が見えるリビングまで約7mの距離を、酸素チューブや栄養の点滴をつけたまま車椅子で移動する必要がありました。
私達は看護師2名で訪問し、安全確認をしながら慎重に移動することにしました。 -
課題2「朝顔が咲いている時間は限られているということ」
朝顔は日出から約4時間ほどしか咲いていません。
体調が不安定であるAさんにとって、朝顔を見に行けるチャンスは多くありませんでした。
私達はリハビリや入浴などの息が上がりやすい日は避け、Aさんの体調が比較的良い日に合わせてチャレンジすることにしました。
チャレンジできる日数は限られましたが、「なんとしてもAさんの願いを叶えたい」という思いで看護にあたったことで
2回チャレンジした中で2回とも朝顔を観る事ができました!!
Aさんと奥様も、とても喜んでくださいました。
朝顔は赤と青の2種類植えてありました。
Aさんは先に咲いた赤い朝顔を見ながら「青の朝顔も見たいなぁ」とお話しされます。
しかし青の朝顔を観ることは叶わず、赤いの朝顔を見た約1週間後にAさんはご逝去されました。
残された、ご家族の気持ち
余命宣告より随分早くご逝去された事もあり、奥様はとても悲しまれていました。
奥様のその後の生活が心配だったこともあり、Aさんが亡くなってから2ヶ月後に様子を伺うため訪問することにしました。
Aさんがご逝去されてからどのように過ごされていたかをお聞きすると、「息子様や他のご家族様と一緒に、Aさんの思い出を語り合えた」とお話しくださいました。
ご家族で思い出を話している内に、Aさんが家に帰ってきてから自分たちが出来たことを振り返れたことで”Aさんの死を受け入れ前を向くことが出来た”のだそうです。
奥様の表情からは、自宅で最期を看取ることが出来た達成感もあったように感じました。
そして、私たちにも
「自宅に帰って一緒に朝顔を見ることができて、素敵な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございます。」と嬉しい言葉もかけてくださいました。
訪問看護は素晴らしい
訪問看護の魅力、いかがでしょうか。
利用者様が自分らしく生きる事が出来るよう、その人の生活の一部となって一緒に考えたり支えたり出来る、素晴らしい仕事です。
こんなに魅力的な仕事は ”他に無いのでは” とすら思います。
もちろん、利用者様やご家族の思いに寄り添うことは簡単に出来る事では無く、責任も伴います。
しかし人生を共に歩む事が出来る訪問看護の仕事は、私達へ変え難い程の幸福をくれます。
最後に
訪問看護は、書き切れないほど魅力溢れる仕事です。
ハードルが高いから躊躇している方がいるのであれば、それは大変勿体ないことです。
自信を持って訪問看護の世界に飛び込んできてください!
私たち訪問看護師の仲間が1人でも増えていくことを心から願っています。
Footageでは、さらにスタッフ1人1人の強みを生かす事ができる取り組みを行なっています。
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著者:仙田 りほ(看護師 Footage訪問看護ステーション 瑞穂店)