みなさんこんにちは。
Footage訪問看護ステーションの水野です。まだまだ寒い日が続き、風邪を引く人が多い季節です。
今でも、
”あ〜、コロナになっちゃった。仕事休まなきゃ。”
”インフルエンザになっちゃった〜、ワクチン打っておくべきだったかな〜”
などあちらこちらでさまざまな声を聞きます。
今でこそコロナウイルスが収束したと言われていますが、現在も高い関心を寄せているトピックです。またニュースではコロナワクチンの接種後に副反応や死亡者が出るなどさまざまな報道や記事を目にします。
今回のコラムでは、現在の感染者や、再罹患者数、潜伏期間や隔離期間、さらに後遺症やワクチンの副反応に至るまで、COVID-19の今後の変遷について触れていきたいと思います。

 

コロナウイルス感染症 これまでの変遷

 

コロナウイルス・現在の位置付け

コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年末に初めて確認されて以来、世界中の生活、経済、医療システムに甚大な影響を与えてきました。最初の感染者が中国で確認されて以来瞬く間に感染が広がりました。世界保健機関(WHO)は、2020年1月30日、新型コロナウイルス感染症について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しました。21世紀に入ってからパンデミックが発令されたのは初であり、世界に衝撃が走りました。しかしその後、ワクチン開発や治療などが進み、感染者の数が減少すると新型コロナウイルス感染症の位置づけは、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」から、「5類感染症」になりました(令和5年5月8日)。
5類感染症になった今でもコロナウイルス(COVID-19)の状況は、世界中で依然として変化し続けています。世界保健機関(WHO)によると、COVID-19のデータは週ごとに報告され、国によっては報告の頻度が異なるため、最新の統計データの解釈には注意が必要としています。しかしその一方で、ジョンズ·ホプキンス大学のコロナウイルス·リソース·センターは、COVID-19データの追跡を2023年3月10日で停止しました。これは、パンデミックへの初期の応答として設立されたこのプロジェクトが、その役割を果たしたと判断されたためです。(ジョンズ·ホプキンス大学のコロナウイルス·リソース·センターの公式サイトにて表明済み URL: https://coronavirus.jhu.edu/data)

現在の日本のコロナウイルス感染症の動向

 

表1:現在の感染者の最新情報(厚生労働省 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について から抜粋)

厚生労働省が2024年1月26日に発表した1月15日~1月21日の全国の感染者数は60,268人でした。同日のデータではインフルエンザの感染者数は見つけることはできませんでしたが、2024年第8週のインフルエンザの患者報告数は82,741人でした。そう比較すると現在ではコロナウイルスはインフルエンザのような季節の流行り病のような立ち位置になりつつあることがわかります。また、コロナウイルス感染症が猛威を震っていた2022年のピーク時は1日の感染者が20万人を超えていました。そう考えるとコロナウイルス感染症は落ち着いてきたと言うような感覚になるのでしょうか。

現在の世界のコロナウイルス感染症の動向

2024年に入り、多くの国でワクチン接種と治療法の向上により、COVID-19の感染者数は大幅に減少しました。しかし、未だに新しい変異株の出現と感染者の報告は続いており、完全な収束には至っていません。世界保健機関(WHO)の最新報告によると、感染者数は一部地域で前月比が増加傾向にあることが示されています。

地域別の新規報告および累積の新型コロナウイルス感染症感染者数と死亡者数

 


表2:WHO 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疫学最新情報から抜粋 ”2024年1月7日時点のWHO地域別の新規報告および累積の新型コロナウイルス感染症感染者数と死亡者数 (WHO公式サイトから引用 20240119_covid-19_epi_update-handover_163.pdf)”
※Change in new cases in last 28 days:過去28日間の新規感染者数の推移 ここでは負の数字であれば減少、正の数字であれば増加していることを指します。

人口 10 万人当たりの新型コロナウイルス感染症確認症例数

 

図1:WHO新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疫学最新情報から抜粋 ”過去 28 日間に報告された人口 10 万人当たりの新型コロナウイルス感染症確認症例数(2024 年 1 月 7 日時点)(WHO公式サイトから引用 20240119_covid-19_epi_update-handover_163.pdf)”
このように現在も感染数や死亡数には地域差があります。要因としては、以下の点が挙げられるのではないかと考えます。

感染者数や死亡数の地域差を生む要因

・対応策の違い: 国や地域によって、早期に厳格なロックダウンを実施したり、社会的距離の維持、マスク着用の義務化などの予防策をとったりするなど、COVID-19に対する対応策が大きく異なりました。これらの対策の実施の仕方や、公衆衛生への対策への順守度合いによって、感染拡大の速度や規模が変化したと考えられています。現在、海外旅行などでの検疫の水際対策にはアメリカではワクチンの接種の有無を条件としないとされています。

・医療体制の差: 国によっては、医療体制が十分に整っておらず、病院での収容能力や医療器具、医薬品の不足が見られます。一方で、より充実した医療体制を持つ国では、重症患者への対応能力が高く、死亡率を抑えることができます。

・社会経済状況: 経済的に困難な状況にある国や地域では、人々が仕事を休めないために自宅待機が難しく、また、密集した住環境が感染拡大を加速させる要因になります。富裕国では、リモートワークの導入や経済的支援策が感染拡大の抑制に一定の効果を示しています。

・報告とデータの透明性: 国によってCOVID-19のデータ報告体系や透明性に大きな差があります。一部の国では、感染者数や死亡者数が正確に報告されていないか、または遅延していることが指摘されています。また、紛争をしている国などでは国勢状況のため正確なデータをあげられないという現状があります。

・変異株の影響: 新しい変異株の出現は、感染力や病原性に影響を与え、ワクチンの有効性にも影響を及ぼす可能性があります。変異株の出現と拡散の度合いは地域によって異なり、これが感染者数や死亡者数の地域差に影響を与えています。

再発や再罹患者数について

COVID-19の再発や再罹患に関するデータは、継続的に収集されています。再罹患は、回復したと思われた患者が再びCOVID-19の陽性反応を示すケースを指します。これには、体内でのウイルスの再活性化や新たな感染が考えられます。幸いなことに、再罹患のケースは全体の感染者数に比べて少ないですが、免疫力が低下している人々や、変異株による影響を受けやすい人々には依然としてリスクが存在します。2023年8月にアメリカのニューヨーク州が発表した再感染者データでは、再感染者(ここでいう再感染者は人が新型コロナウイルスに感染し、最初の検査で陽性反応が出てから90日以上経過した後に再び陽性反応が出た場合に再感染したとみなされます。)は全体の9.8%に及んだと報告しています。10人に1人がコロナウイルスに再感染する結果になっています。コロナウイルスは変異株の出現などによって人間の自己免疫に合わせるように変化を遂げて感染率を高めていることが危惧されています。

 

潜伏期間や隔離期間

潜伏期間について

COVID-19の潜伏期間は、感染してから最初の症状が現れるまでの時間を指します。現在も潜伏期間は通常2日~14日の間とされています。隔離期間は、感染の拡大を防ぐために、症状のある人が自宅や指定された施設で過ごす期間です。多くの国では、症状が改善してから最低でも10日間は隔離を続けることが推奨されています。

隔離期間について

名古屋市では新型コロナウイルスに感染した感染者は令和5年5月8日以降では以前のように法律に基づく外出自粛は求められません。外出を控えるかどうかは、個人の判断にゆだねられます。外出を控えることが推奨される期間発症日(無症状の場合は検体採取日)を0日目として5日間、かつ熱が下がり、たんや喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまでとしています。またやむをえず感染者が外出する場合はマスクの着用を推奨しています。

 

後遺症やワクチンの副反応

COVID-19を経験した人々の中には、回復後も長期にわたり影響を受ける「長期COVID」や「後遺症」に苦しむケースが報告されています。これには、疲労感、息切れ、集中力の低下などが含まれます。また、ワクチン接種後に副反応が生じることもありますが、これらは通常、軽度で一時的なものです。しかし、イギリスやアメリカの研究によってコロナウイルスのワクチン接種後に心筋炎を引き起こし死亡したケースも報告されています。また心筋炎などの重篤な副作用を発病した患者は20代の若い男性に多かったと研究結果が出ています。日本では第5回目の接種券までがさまざまな世代に対して政府が発券していましたが、現在はワクチンの接種は推奨努力となっています。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染症は、2019年末に中国の武漢市で最初に報告されて以来、世界中に広がり、パンデミックを引き起こしました。ワクチンの開発と普及が進むにつれ、多くの国で感染率や重症化率は徐々に下がりつつありますが、変異株の出現により、未だに警戒は必要です。さらに今後も時代の変化と共に新たな感染症への懸念も高まっています。

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参考文献

・厚生労働省・新型コロナウイルス感染症の国内発生状況等について
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html
World Health Organization Number of COVID-19 cases reported to WHO
URL:https://data.who.int/dashboards/covid19/cases?n=c
・New York City COVID-19 Reinfection Data
URL:https://coronavirus.health.ny.gov/covid-19-reinfection-data