こんにちは、Footage覚王山店の水野です。
今回は世界の産休・育休制度について紹介していきたいと思います。
Footageには主に20代〜40代の看護師が在籍しています。
看護師の仕事自体が女性が多く占める職業ですが、スタッフの働きやすさを実現するために様々な福利厚生が整っています。
Footageではお子さんのいる看護師も多くいるので提携先の保育園や保育料補助なんかも充実しています。
看護師の業種に限らず、日本では産休休暇や育休休暇が法律で定められていて、一定の条件を満たせば上記の休暇の取得が可能です。
それなら世界の産休・育休制度ってどうなっているのかなあと疑問に思ったので今回は世界の産休・育休について紹介したいと思います。
日本の産休・育休について
日本の産休(Maternity Leave)と育休(Childcare Leave)について説明します。
産休と育休は、労働者が出産や子育てに伴う休暇を取得するための制度です。産休は出産前後の休暇であり、育休は子どもの成長期間中の休暇です。これらの制度は労働者の健康と家庭生活の両立を支援し、労働者により柔軟な働き方を提供することを目的としています。
産休について
日本では、労働基準法に基づき、女性労働者に対して産前産後休暇を取得する権利があります。
主な特徴は以下の通りです。
産前休業(産前休暇):通常、出産予定日の6週間前から取得できます。出産予定日より早く産前休業を開始することも可能です。産前休業中は、給与の50%〜70%を受け取ることができます。
産後休業(産後休暇):出産後、母親は8週間の休業を取得することができます。ただし、出産後の状態や希望に応じて、短縮して早期に復職することも可能です。
育休について
日本の育休制度は、労働基準法の一部である育児休業制度に基づいています。以下にその特徴を示します。
育児休業:出産後の子供の成長に応じて、産後8週間の産前産後休業明けから取得できます。通常、子供が1歳になるまでの間取得することができます。
育児休業給付金:育児休業中には、育児休業給付金が支給されます。給付額は労働者の平均賃金に応じて決定され、最長で6ヶ月間支給されます。
また、最近の制度改革により、男性労働者にも育児休業の取得を促進するための特例が設けられました。”産後パパ育休”とも呼ばれます。
産後パパ育休:
対象期間・取得可能日数:子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
申出期限:原則休業の2週間前まで
分割取得:分割して2回取得可能(最初にまとめて申し出ることが必要)
世界の産休・育休制度について
海外の産休(Maternity Leave)と育休(Parental Leave)制度は、国や地域によって大きく異なります。
以下に一般的な海外の産休・育休制度の特徴をいくつかざっくりと挙げます。
ヨーロッパ諸国
産休について:長期の産休および育休制度があります。母親だけでなく、父親や他の保護者も育休を取得することができます。
産前の休暇と産後の休暇があり、給与の一部または全額が支給される場合があります。
育休について:育休も一定期間の給与を受け取ることができます。
従業員(男性および女性)は、契約の種類(パートタイム、フルタイムなど)に関係なく、子供の誕生または養子縁組に応じて育児休暇を取得する権利があります。育児休暇を申請したことを理由にスタッフを解雇したり、他のスタッフよりも不利な扱いをしたりすることはできません。
両親はそれぞれ少なくとも 4 か月の休暇を取得する権利があります。原則として、従業員は休暇の権利をもう一方の親に譲渡することはできます。ただし、一部の国では、3 か月以内であれば権利の一部を譲渡できる場合があります。
EUの規則では、労働者は子供が8歳になるまでいつでも育児休暇を取得できます。
ただし、一部の国では、国内法によりこの年齢制限が低くなる場合があります。
カナダ
産休について:産前休暇と産後休暇の両方があります。
産前休暇は一定期間の有給休暇であり、産後休暇と育休は一定期間の無給休暇です。
出産手当金は、予定日または出産日の 12 週間前から受け取り始めることができます。
出産予定日または出産日のいずれか遅い方から 17 週間を超えると、これらの給付金を受け取ることはできません。
最大 15 週間の特典が利用可能です。
育休について:子供が生まれた週、または養子縁組で親元に預けられた週から、育休を開始できます。
カナダでは育休と育児給付金を 2 つのオプションから選択できるそうです。
①最大 35 週間、週あたり最大 638 ドルの給付金の受給
②最大 61 週間、週あたり最大 383 ドルの給付金の受給
アメリカ合衆国
アメリカの法律は国ではなく州によって定められているので州によって規定が違います。
連邦法(連邦政府が制定する法律の総称です。アメリカ合衆国憲法に基づいて制定される)による国全体の産休・育休制度は存在しませんが、一部の州や企業が独自の制度を持っています。
連邦法には「家族・医療休暇法(FMLA)」があります。
アメリカ連邦法における産休・育休について
アメリカには産休と育休の明確な制度はありません。
一定の条件下で12週間までの無給の産休・育休が提供されることがあります。
1993 年の家族および医療休暇法 (FMLA) では、従業員 50 人以上の企業に勤務する新生児または新たに養子を迎えた子供の母親に対し、年間 12 週間の無給休暇を取得することが義務付けられています。(これは出生日または出産日から始まる12 か月の間に使用できます。)
2020 年 10 月 1 日の時点で、同じ方針が、病気の家族の介護者、または子供の誕生に直接関係するため母親の介護を担当するパートナーにも適用されています。家族のケアのために取得できる休暇として捉えられています。
アメリカには産休・育休の給付金制度はありません。
2020年から、カリフォルニア州、ニュージャージー州、ロードアイランド州では、50名以下の従業員の一部を含む従業員に有給の育児休暇を義務付けています。また、 従業員50人未満の企業に勤める米国の労働者の大多数には、新生児の世話や出産からの回復のための有給・無給休暇の法的義務はないが、米国の一部の州ではこれを義務付けている出てきたところです。とはいえ、経済的な理由からアメリカでは産休・育休のために休暇を費やす母親・父親は少ないです。これは世界保健機関が推奨する最低16週間を下回っています。 米国は、OECD 加盟 38 か国の中で、企業や企業に従業員への有給産休の付与を義務付ける法律を可決していない唯一の国です。
(図1:OECDによる有給育児休暇の比較
https://www.powertopersuade.org.au/blog/australia-falls-behind-oecd-on-paid-parental-leave/21/10/2019 から引用)
上の図から見ると女性の有給の育児休暇の期間はエストニア・スロバキア・ハンガリーなどのヨーロッパの国々が上位にランクインしています。また、男性の有給の育児休暇の期間は日本や韓国が上位ですね。下の方を見てみるとアメリカは男性、女性どちらの割合を見ても最下位です。
最後に
みなさん世界の産休・育休制度についてどうだったでしょうか?
意外にもアメリカがこのような子育て世代に対してのサポートがないことに驚いだんじゃないかなと思います。
私の義姉たちはアメリカでバリバリ子育てをしているのですが、このことについて聞いてみると
”え〜!日本って産休中にお給料もらえるの?!” と驚いていました。
しかし、彼女たちはあらゆる手を使って子育てを乗り越えている(楽しんでいる)とのことです。
というのもアメリカは、一般的には有給休暇期間は日本よりも長くまた、休むタイミングも夫婦ともに自分で調整できるので具体的な制度がなくても穴埋めができるんだそう。
その他には、
・親や兄弟姉妹に家に来てもらって面倒を見てもらう
・ベビーシッターを雇う(←かなりメジャーです)
・保育所に預ける
などして仕事と子育を両立しているんだとか。また、アメリカでは保育園は日本の保育園のように入園審査などはほとんどなく、
電話1本で”今週預けたいんですけどどうですか〜?”って聞くと空きがあればすぐに入れてくれるフランクなところが多いようです。
また、世界と比べると日本は上位にランクインした国でしたが、
厚生労働省の調査によると、2021(令和3)年度の育児休業(育休)取得率は男女ともに増加が認められますが、女性の85.1%に対して男性は14.0%と依然低くなっています。ここをもう少し引き上げていくことができたら子育て世代により優しい国になるんじゃないかと思います。
長々と書きましたが、楽しんでいただけたでしょうか?
今後もブログやコラム、インスタグラムでもっともっと有益な情報を届けられるように頑張ります〜!
(※Footageの様子はHPやInstagram で紹介させて頂いております。)
参考文献:
Government of Canada
https://www.canada.ca/en/services/benefits/ei/ei-maternity-parental/apply.html#:~:text=You%20can%20start%20receiving%20parental,up%20to%20%24383%20a%20week)
U.S department of labor
https://www.dol.gov/general/jobs/benefits/paid-parental-leave#:~:text=Paid%20parental%20leave%20under%20FEPLA%20is%20limited%20to%2012%20work,the%20birth%20or%20placement%20involved.