「自宅で酸素療法を続けたいけれど、きちんと管理できるか心配」「急に具合が悪くなったときはどうしよう」。そうした不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
在宅酸素療法(HOT)は、肺の機能が低下した方が自宅で酸素を吸入する治療です。COPD(慢性閉塞性肺疾患)や間質性肺炎、肺線維症などの病気で、血液中の酸素が不足している状態を改善するために行われます。
私たちの訪問看護チームは、このような方々が安心して自宅で療養できるよう、専門的なサポートを提供しています。本記事では、在宅酸素療法の基礎知識と、訪問看護がどのようにあなたやご家族をサポートするのかについてお伝えします。

在宅酸素療法とは|どんな治療ですか

在宅酸素療法は、医療用の酸素を自宅で吸入する治療法です。病院やクリニックだけでなく、自分の時間を自由に使いながら、必要な酸素を24時間体制で供給できるという大きなメリットがあります。
酸素は、呼吸によって肺から血液に取り込まれ、全身の臓器に運ばれます。肺の機能が低下した状態では、この酸素交換がうまくいかず、血液中の酸素濃度が低下します。これを低酸素血症といいます。低酸素血症のまま放置すると、心臓や脳などの重要な臓器に負担がかかり、症状が悪化することがあります。
在宅酸素療法は、この低酸素血症を改善し、生活の質を高めるための治療です。酸素濃度が高まることで、呼吸が楽になり、日常生活の活動量も増えます。その結果、気分も前向きになり、社会とのつながりを保ちやすくなります。
酸素供給方法は複数あります。酸素濃縮器(自宅に設置する大きな機械)、液体酸素(冷却された酸素を保管容器に入れたもの)、酸素ボンベ(携帯用)など、ご家族の生活様式や外出の頻度に合わせて選択できます。医師の指示に従い、適切な酸素量を吸入することが重要です。

在宅酸素療法を安全に続けるための3つのポイント

ポイント1:酸素吸入器の正しい使い方と日常管理

酸素吸入器を毎日安全に使うには、正しい操作方法の理解が不可欠です。鼻カニューラ(鼻に装着する細い管)やフェイスマスクなど、器具の装着方法、流量の設定、清潔保持など、細かな点に注意が必要です。
私たちの訪問看護師は、初回訪問時に使用方法を丁寧にお教えします。実際に器具を装着していただき、違和感がないか、正しく酸素が供給されているかを確認します。また、ご家族にも使い方をお伝えしますので、緊急時にも対応できるようになります。
機械の日常管理も重要です。酸素濃縮器は定期的にメンテナンスが必要ですし、鼻カニューラは毎日洗浄して乾燥させる必要があります。私たちは、どのようなメンテナンスをいつ行うべきか、具体的にお伝えします。清潔な状態を保つことで、感染症の予防にもつながります。

ポイント2:自分の体の変化を見つけること

在宅酸素療法中は、毎日ご自身の体の変化に気を配ることが大切です。呼吸の楽さ、疲れやすさ、寝つきの良さなど、微妙な変化から、治療が適切に効いているかどうかを判断できます。
血液中の酸素濃度を測定するパルスオキシメーターの使い方もお教えします。毎朝、起床時に測定する習慣をつけることで、酸素療法の効果を数字で確認できます。通常、血液酸素飽和度は96~100%が正常範囲ですが、90%を下回るようであれば、医師への報告が必要です。
「最近、動くと息切れが強くなった」「夜間に咳が増えた」など、些細な変化も見逃さないようにしましょう。こうした気づきは、病気の進行を早期に発見する手がかりとなります。私たちの訪問看護師は、毎回の訪問時に、体の変化についてていねいにお聞きします。

ポイント3:安全な生活環境の整備

酸素は火気に弱い物質です。喫煙の習慣がある場合は、酸素吸入中は必ず中断する必要があります。また、酸素供給装置の周辺には、ガスコンロなど火の気がある物は置かないようにしましょう。
自宅内の通気性も重要です。酸素濃縮器は、定期的に空気を取り込んで酸素を生成するため、周囲の湿度が高すぎたり、埃が多かったりすると、機械の効率が低下します。定期的な換気と適度な掃除を心がけてください。
移動経路の安全確保も大切です。酸素ボンベや酸素濃縮器の配管につながる鼻カニューラが、足に引っかかって転倒することがないよう、配管の配置に気をつけましょう。ご高齢の方や足腰の弱い方は、転倒予防が特に重要です。私たちは、初回訪問時に自宅の環境を確認し、安全対策についてアドバイスします。

Footageの取り組み|多職種チームと24時間対応で安心をサポート

Footageの訪問看護では、在宅酸素療法をされる方を多職種チームでサポートしています。看護師だけでなく、理学療法士や栄養士も関わり、医学的なケアだけでなく、生活全体の質向上をめざします。
医師と連携し、酸素流量の変更が必要になった場合も、迅速に対応できます。24時間対応の相談窓口がありますので、夜間や休日に「酸素が足りなくなった」「機械の調子がおかしい」といった緊急時も、ご連絡いただければスムーズに対応します。
私たちは、臨床推論に基づき、単なる酸素療法の管理だけでなく、「なぜこの患者さんの酸素が不足しているのか」という背景を理解し、根本的な問題解決に向けてサポートします。また、DXツールを活用して、ご本人とご家族の情報を一元管理し、チーム全体で情報共有することで、より安全で質の高いケアを実現しています。

まとめ

在宅酸素療法は、肺の機能が低下した方が自宅で安心して過ごすための大切な治療です。ただし、安全に続けるには、正しい使い方の理解、毎日の体の変化への気づき、安全な生活環境の整備が欠かせません。
私たちの訪問看護チームは、医学的な知識と経験をもって、あなたとご家族をサポートします。初めて酸素療法を始める方も、既に続けている方も、不安なこと、疑問に思うことがあれば、いつでもご相談ください。
自宅での療養をより快適で安全なものにするために、私たちはここにいます。


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