認知症になっても、住み慣れた家で、その人らしく生活し続けたい。その願いは多くのご本人とご家族が抱いています。しかし現実には、認知症の進行に伴う様々な困難に直面し、在宅療養を続けることが難しいと感じるかもしれません。
私たちは、認知症のケアで最も大切なのは「症状を抑え込むこと」ではなく、ご本人が混乱なく、安心して「その人らしく」生活し続けられる環境を整えることだと考えます。訪問看護は、看護師が定期的に訪問し、病状の観察だけでなく、生活の全般を支える伴走者となります。
この記事では、認知症のケアにおける訪問看護の具体的な役割と、Footage(フッテージ)がどのようにご本人とご家族をサポートするのかを、詳しく解説します。

訪問看護が行う3つの具体的な支援

1. 意思決定支援とコミュニケーション

認知症により言葉での意思疎通が難しくなっても、ご本人の想いは存在します。これは認知症意思決定支援ガイドラインにも明記されている、重要な原則です。
看護師は、表情や仕草、過去の生活歴から、ご本人の意向を推定し、ケアに反映させます。例えば、入浴を拒否される場合、単に「お風呂に入りましょう」と勧めるのではなく、なぜ拒否しているのかを考えます。プライバシーが気になるのか、温度が嫌なのか、あるいは別の心配があるのか。その背景を理解することで、対応方法が変わります。
また、ご本人の「今やりたいこと」を見つけることも大切です。認知症だからといって、何もしたくないわけではありません。ご本人が得意だったこと、好きだったことを活動に取り入れることで、日々の生活に張りが生まれます。私たちは、このような個別性を大事にしたケアを提供します。

2. 周辺症状(BPSD)へのアプローチ

「怒りっぽくなった」「夜中に何度も起きてしまう」「徘徊が増えた」など、周辺症状に困るご家族も多いです。しかし、これらの症状には必ず原因があります。
看護師は、症状だけを見るのではなく、その背景にある「不安」や「体調の不全」をアセスメントします。例えば、夜間の睡眠障害の背景には、便秘による不快感があるかもしれません。拒食の背景には、歯の痛みや嚥下困難があるかもしれません。
褥瘡予防や口腔ケアなどを適切に行うことで、身体的苦痛からくる混乱を未然に防ぐことができます。つまり、症状そのものを薬で抑えるのではなく、原因を取り除くことで、自然とご本人の落ち着きが戻るのです。
また、環境調整も重要です。過度な刺激を減らす、生活リズムを整える、なじみの環境を保つなど、認知症のご本人にとって「過ごしやすい場」をつくることが、周辺症状の軽減につながります。

3. ご家族へのケア指導と休息支援(レスパイト)

24時間体制の介護は、ご家族を疲弊させます。「いつまで続くのだろう」という不安や、「何かあったらどうしよう」という責任感に押しつぶされるご家族も少なくありません。
訪問看護では、ご家族が正しく認知症のご本人と関わることができるよう、具体的なケア指導を行います。例えば、「しっかり話を聞く」「否定しない」「強制しない」といった基本的な関わり方から、排泄介助や入浴介助の具体的な手技まで、様々な指導を行います。
また、看護師が訪問している時間に、ご家族にしっかり休んでいただくことも大切です。これをレスパイトケアと呼びます。ご家族が休まなければ、ご本人も良いケアを受けられません。共倒れを防ぎながら、持続可能な介護を実現することが、訪問看護の重要な役割です。

Footage(フッテージ)の認知症ケアの強み

「厚み」のある情報共有による個別性の高いケア

私たちは、ご本人を「症状のある患者」としてではなく、「生活者」として見守ります。これが、本当の認知症ケアを実現する基本姿勢です。
DXプラットフォーム上で、日々の関わりで見つけた「本人の笑顔の理由」や「落ち着く言葉かけ」を詳細に共有しています。例えば、「朝日が当たる居間でコーヒーを飲むと穏やかになる」「孫の写真を見ると嬉しくなる」といった情報は、医学的な記録には書かれません。
しかし、このような情報こそが、その人らしい生活を支える最も大切な手がかりなのです。チーム全体で一人の人を理解することで、誰が訪問しても一貫した安心感を提供できます。あなたのご家族の「その人らしさ」を、私たちは大事に守ります。

自律したスタッフによる柔軟な対応

Footageのスタッフは、マニュアルに従うのではなく、その日のご本人の気分や体調に合わせてケアの内容や順番を調整できます。これが「自律性」です。
認知症の方の中には「今日は気分が優れない」「今日は話し相手が欲しい」など、日々変動する気持ちを持っている人もいます。そのような時に「今は入浴の日だから」と無理に進めるのではなく、その日のご本人に合わせることが大切です。
予め決まった作業をこなすのではなく、現場での最適な判断を尊重する組織文化が、実はご本人の尊厳を守り、より良いケア結果につながるのです。

24時間対応による安心感

認知症の方の状態変化は、時間帯を選びません。夜間に不穏になることもあります。家族だけでは対応しきれない時も出てきます。
Footageは24時間365日のバックアップ体制を整えています。深夜でも、ご家族が不安に感じたら、看護師に相談できます。専門的なアドバイスが得られるだけでなく、必要に応じて実際に看護師が訪問することもできます。
このような包括的なサポートが、ご家族の精神的負担を大きく軽減します。

認知症は「何も分からなくなる」病気ではない

認知症は、決して「何も分からなくなる」病気ではありません。むしろ、プロの手を借り、生活のリズムを整え、その人の個性や過去の経験を大事にすることで、穏やかで充実した日常が続きます。
家は「混乱の場」から「穏やかな日常の場」に変わります。そして、ご本人とご家族の関係も、より良いものへと変わっていきます。
我たちは、その過程全体をサポートします。いつでもお気軽にご相談ください。


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