デュアルタスクトレーニングが注目される理由
デュアルタスクトレーニングとは、2つの課題を同時に行う運動プログラムのことです。例えば「歩きながら計算をする」「足踏みをしながらしりとりをする」といった、運動と認知課題を組み合わせたトレーニングが代表的です。
高齢者の転倒予防や認知機能の維持に効果が期待されるとして、近年のリハビリテーション分野で注目を集めています。特にパーキンソン病の方にとっては、運動機能と注意力の両方を同時に鍛えることができるトレーニングとして、専門施設で積極的に取り入れられています。
※この記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、個々の状況については専門家にご相談ください。
デュアルタスクトレーニングの科学的背景
日常生活では、私たちは常に複数のことを同時に処理しています。例えば、会話しながら歩く、料理をしながらテレビを見るなど、無意識のうちにデュアルタスクを行っています。
しかし、加齢やパーキンソン病などの神経疾患では、このマルチタスク能力が低下しやすくなるとされています。その結果、歩行中に別のことに注意が向いた際に転倒するリスクが高まる可能性があると報告されています。
デュアルタスクトレーニングは、この「注意の分配能力」を鍛えることで、転倒リスクの軽減や認知機能の維持に寄与する可能性があるとして研究が進められています。
研究で示唆されている効果
- 転倒リスクの軽減:複数の研究で、デュアルタスクトレーニングを継続した群では転倒頻度が減少する傾向が報告されています
- 歩行能力の改善:歩行速度やバランス能力の向上が観察されたとする研究があります
- 認知機能の維持:注意力や実行機能(ものごとを計画・実行する能力)の維持・改善が期待されています
- 日常生活動作(ADL)の向上:実際の生活場面での動作がスムーズになる可能性が示唆されています
※効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるとは限りません。
パーキンソン病専門のリハビリ、はじめてみませんか?
「Re-move」は名古屋市昭和区にあるパーキンソン病特化型の半日型デイサービスです。
理学療法士・作業療法士・看護師がチームでサポートします。
見学・体験会は随時受付中|お電話でもお気軽にどうぞ TEL:052-753-6831
自宅でできるデュアルタスクトレーニングの例
専門家の指導を受けた上で、以下のようなトレーニングをご自宅でも取り入れることが可能です。
初級編
- 足踏み+しりとり:その場で足踏みをしながら、家族としりとりをします
- 椅子からの立ち座り+数字の逆唱:ゆっくり立ち座りしながら、10から1まで数を逆に数えます
中級編
- 歩行+引き算:安全な場所を歩きながら、100から7を引いていきます
- ステップ運動+手拍子:一定のリズムでステップを踏みながら、別のリズムで手を叩きます
安全に行うための注意点
- 転倒に十分注意し、手すりや壁の近くで行いましょう
- 体調が優れない日は無理をしないでください
- できないことがあっても焦らず、楽しみながら継続することが大切です
- 初めて行う場合は、理学療法士などの専門家に相談されることをおすすめします
専門施設でのデュアルタスクトレーニング
自宅でのトレーニングに加え、専門施設を利用することでより効果的なプログラムに取り組むことができます。音楽療法と組み合わせたリズミックなトレーニングや、有酸素運動と組み合わせたプログラムなど、多様なアプローチが可能です。
名古屋市昭和区の「Re-move」では、パーキンソン病に特化したデュアルタスクトレーニングを専門スタッフの指導のもとで提供しています。お一人おひとりの状態に合わせたプログラムを設計しておりますので、デイサービスの選び方の参考にしていただければ幸いです。
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【この記事の監修】
株式会社FOOTAGE(フィットネススタジオ Re-move 運営)
理学療法士・LSVT-BIG認定療法士・パーキンソン病療養指導士が在籍。パーキンソン病のリハビリテーションに関する専門的な知識と臨床経験をもとに、エビデンスに基づいた運動プログラムの設計・監修を行っています。
【免責事項】
この記事は一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、医療行為の代替となるものではありません。パーキンソン病の診断・治療に関しては、必ず主治医や専門の医療機関にご相談ください。個々の症状や体調によって適切な対応は異なりますので、記事の内容をもとに自己判断で治療方針を変更することはお控えください。
