こんにちは!!
Footage訪問看護ステーション守山の奥原です。
今回は9/21に旭労災病院の皮膚・排泄ケア認定看護師によるストーマ勉強会を開催しました!👏✨
ストーマがある利用者さんも多く、疑問に思うことやケアについて教えて頂き、とても勉強になりましたのでブログを読んでくださる皆さんにもお届けできたらと思います。

ストーマとは?

まずストーマを簡単に説明すると、消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便または尿を排泄するために増設された排泄口のことを言います。ストーマを持つ人をオストメイトと呼びます。大きく分けて消化管ストーマ(人工肛門)と尿路ストーマ(人工膀胱)があります。ちなみにストーマとはギリシャ語で口を意味するそうです。👄
オストメイトはストーマから排泄物が出てくるためストーマ装具をつけて過ごされています。ストーマ装具は面板(皮膚に粘着させる部分)とパウチ(便や尿を採取する袋)で構成されています。私たち訪問看護は、訪問時にストーマの状態や周囲の皮膚状態を観察したり、決められた頻度でパウチ交換を行なっています。

勉強会について

今回の勉強会は、消化器外科に勤めていた経験がある守山店のスタッフ矢地さんと大蔵さんが企画をしてくれました。旭労災病院の医事課長の藤本さん、皮膚・排泄ケア認定看護師の西畠さんがご協力して下さり、日頃のストーマのケアに関する疑問に対して色々なことを教えて下さりました。勉強会での内容について一部ご紹介したいと思います。

ストーマケアの目指すところ

★排泄物が漏れない、安心した日常生活を送ること
★シンプルなケアで誰もがわかる方法であること
★本人が納得している交換頻度とコストであること

最近のアクセサリーの特徴や使い方のコツ

アクセサリーとはストーマ装具の付属物品のことを言います。
例えば、、、
・用手成形皮膚保護剤→ストーマ近接部のしわやくぼみの補正、水溶性の排泄物に対して補強するもの
・粉状皮膚保護剤→発赤がある場合は皮膚障害悪化予防のために使用、糜爛がある場合は滲出液をコントロール、 面板の耐久性を高めるために使用、潰瘍がある場合は潰瘍部分に充填して、滲出液のコントロール、面板の耐久性を高めるために使用するもの
・外周固定テープ→からだの動きによる面板の外縁部の補強、シャワーや衣類、皮膚の乾燥でめくれてしまう場合の補強、オストメイトの安心のために使用するもの
・被膜剤→脆弱な皮膚の剥離刺激を最小限にしたり、化学療法による皮膚障害の予防に使用するもの

実際に西畠さんが持参してくださったのは補強や防水機能の効果があるアルケア会社のサージカルテープを紹介していただきました。肌色のタイプのもので目立ちにくく触った感じも皮膚に優しそうなテープでした。

利用者にあったパウチの交換方法について

2名の利用者様の事例検討をもとにケア内容についてアドバイスをいただきました。
<1人目Kさん>
身の回りのことは自身で行うことができているが、視力が見えにくいのと体型が大きいため自身ではパウチ交換が行えず訪問し中2〜3回(週2回程度の交換)で交換している。最近体重増加しており、腹部もさらに出てきてストマのサイズアップ、周囲の皮膚トラブルもあり。3時〜9時方向に糜爛と出血見られ、便潜りも見られる時あり。
👉実際に写真も見て頂き、排泄物による皮膚トラブルがあるため交換頻度の見直しの検討や皮膜剤のスプレーは糜爛部位にはかけずにテープ部分を中心にスプレーする等アドバイスを頂きました。

<2人目Nさん>
身の回りのことは自身で行えているが軽度認知機能低下あり自身ではパウチ交換行えず訪問時に交換。便破棄はできるがパウチ内に便を溜めがち。介入当初は中3日(週2回程度の交換)でパウチ交換を行なっていたが、漏れなどもあり月・水・金の交換に増えている。交換の頻度は多いが月に1回漏れてしまうことがある。
👉認知機能の低下あり便破棄がなかなか行えないため、部屋の見える所に破棄するように書いておくことなど環境を整えることは大切であるとアドバイスを頂きました。またパウチ交換の手技に関してはアダプト(皮膚のシワや窪みがある部分を補う皮膚保護剤)の使用方法について実際に物品を使用し教えて頂きました。アダプトを面板に使用する時は面板とアダプトの間に溝ができないよう密着させることが大切であることやアダプトの貼付のコツについて教えて頂きました。また、この利用者様も腹部が大きくなってきているため腹壁の形状や柔らかさによって面板も変更した方がいいとアドバイスを頂きました。
その他にもたくさんの質問や困っていること等に対して知識の共有とアドバイスを頂きました!!

終わりに

今回の勉強会では、普段のパウチ交換の手技に関してやストーマ周囲の皮膚トラブルに関して具体的にアドバイスを頂けて貴重な勉強会となりました。この学びは実際に訪問した時に活かせられるようにして、スタッフ間でも統一した技術やケアが行えるようにしていきます!
ご協力いただいた旭労災病院の藤本さん、西畠さん本当にありがとうございました!🙇
今後も、色々な分野で病院や在宅での知識や現場の状況を意見交換して、地域交流を深めていけたらいいと思っています。